富裕層マーケティングとは?事例や成功のポイントを解説

高額な商品を購入することができる富裕層は、企業にとって魅力的な消費者です。しかし、単に高級な商品を作るだけで、富裕層に選ばれるわけではありません。通常の商品とは異なるマーケティングが必要です。

この記事では、富裕層の種類や商品・サービス事例、アプローチ方法について解説します。これを読んで、富裕層マーケティングをぜひ成功させてください。

富裕層マーケティングとは

富裕層マーケティングとは、富裕層を対象にしたマーケティングです。富裕層は多くの資産を持っており、高額な商品を購入することができる人たちです。野村総合研究所のレポートによると、富裕層は2005年の調査開始以降、増加傾向にあり、多くの企業も富裕層をターゲットにしたビジネスに注目しています。

マーケティング上の富裕層の種類と特徴

一口に富裕層といっても、様々な定義があります。しかし、マーケティングをする上では、資産の額によって超富裕層、富裕層、準富裕層の3つに分類することが一般的です。

超富裕層

超富裕層は、純金融資産が5億円以上ある世帯を指します。日本では、2021年時点で約9万世帯と推計されています。高額な投資商品や資産運用サービス、プライベートバンキングなどのサービスにニーズがあります。また、海外旅行や教育、高級車などの商品やサービスにも関心があります。

富裕層

狭義の意味における富裕層は、純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯を指します。日本では、2021年時点で約140万世帯と推計されています。富裕層は、資産運用や教育関連の商品やサービスに関心が高い他、高級住宅や高級車なども好む傾向があります。

準富裕層

準富裕層は、純金融資産が5,000万円以上1億円未満の世帯を指します。日本では、2021年時点で約325万世帯と推計されています。準富裕層は、中流層よりも裕福な生活を送っています。日常生活で役立つ商品やサービス、高級なブランドや高級リゾートなどの商品やサービスなどのニーズがあります。

富裕層向け商品・サービスと事例紹介

富裕層マーケティングを考える時、既存の商品やサービスで、富裕層向けのものはどのようなマーケティングを行なっているかをよく見ると、多くのヒントが得られます。ここでは、トヨタのレクサス、住友不動産のマンション、ライカのカメラについてご紹介します。

トヨタ「レクサス」

トヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」は、富裕層向け商品の代表格と言える存在です。レクサスは、世界的に信頼されているトヨタのイメージを踏襲しながらも、高級感や上質感を追求した車づくりで知られており、その高い品質とデザインは世界中で高い評価を受けています。

レクサスの公式WEBサイトを見ると、商品ページには、単なる性能やカタログ写真ではなく、雄大な自然や洗練された都会を走る自動車が写真や動画で表現されています。オウンドメディア「LEXUS NEWS」では、ドライブ旅行のコンテンツを展開。美しい風景や、そこでしかできない体験をレクサスの車とともに掲載し、このブランドが上質なドライブ体験を提供してくれることをイメージできる内容になっています。

住友不動産のマンション

住友不動産のマンションも富裕層マーケティングの好例といえます。高級マンションの美しいデザインを打ち出したWEBページは、多くの部分のテキストが画像ファイルになっています。ページ訪問者の閲覧環境によってフォントや改行位置が意図しない状態にならないよう、細心の配慮がされています。ページには「羨望」「華麗」「気品」「崇高」といった、富裕層と親和性の高い言葉を多用しているのも特徴的です。

ブガッティ スマートウォッチ

1909年にイタリアで生まれた自動車メーカー・ブガッティといえば、高級なスーパーカーが有名ですが、近年は、スマートウォッチも手掛けています。アップルウォッチが約3万5000円からなのに対し、ブガッティのスマートウォッチは、最も安いもので約40万円からと、10倍以上の高価格で販売されています。

ブガッティのスマートウォッチ日本公式サイトは、通常のEC通販サイトとは一線を画す高級感が特徴です。黒い背景色を基調に、たくさんの大きな美しい写真で訴求。自動車製造で培ってきたこだわりや芸術性、テクノロジーが感じられる世界観を表現し、富裕層の購入意欲を高める作りになっています。

富裕層へ効果的にアプローチする方法

富裕層にアプローチする際には、広告や顧客体験、富裕層向け商品とのコラボレーションといった方法が効果的です。それぞれのポイントを見ていきましょう。

富裕層をターゲットにした広告

マーケティングの基本として、ターゲットを絞って、マーケティング資源をそのターゲットに集中するという考え方があります。これに沿って考えると、富裕層が利用するメディアへの広告出稿が富裕層へのアプローチとして効果的です。Google広告などのWEB広告は、特定の範囲の年収の人に絞った広告を出すこともできます。広告の内容は、富裕層の価値観やライフスタイルを理解した上で、魅力的なメッセージを伝えることが重要です。

ラグジュアリー感を満たす顧客体験

富裕層は、高品質で特別感のあるものを購入する余裕のある人たちです。そのため、顧客体験においても、ラグジュアリー感を満たすことが重要です。具体的には、高級感のある店舗デザインや専任の担当者によるきめ細かな対応、特別なイベントやサービスへの招待といったことが挙げられます。期待を裏切らない、上質で心地よいサービスを提供することが大切です。

富裕層向け商品・サービスとのコラボレーション

まだ知られていない商品の場合、富裕層向けの既存の商品やサービスとコラボレーションすることで、富裕層の注目を集め、アプローチを成功させることができます。たとえば、新興のヘッドフォンメーカーは、老舗高級自動車メーカーとコラボレーションすることで、富裕層へのアプローチを効果的に行なっています。このアプローチを取るためには、コラボレーション相手と世界観を共有できる品質やデザインであることが重要です。

富裕層マーケティング成功のポイント

富裕層マーケティングを成功させるためには、特に以下の二点が重要です。

マーケティング予算を十分に確保する

前提として、成約時の単価やLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)も高くなる傾向があるため、マーケティング予算については、一般的な市場向けの予算と比較して、積み増しを検討してみてはいかがでしょうか。

富裕層は質に対する期待が高く、彼らの関心を引くためには、洗練された広告やコミュニケーションが必要です。

富裕層のファンを作り、口コミや紹介を促す

「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、富裕層同士もまた、友人や親族であるケースは多いものです。そのため、富裕層の人にファンになってもらえれば、そこから口コミや紹介を通じて、別の富裕層の人が顧客になってくれることが期待できます。これを実現するためには、商品の品質はもちろん、顧客体験の向上に注力することが求められます。

パーソナライズされたサービスや体験を提供する

富裕層は個別のニーズや好みに合わせたパーソナライズされたサービスや体験を重視します。特定の顧客に合わせたカスタマイズや特典を提供することで、顧客との強いつながりを生み出すことができます。

富裕層へのアプローチをご検討なら

富裕層市場は拡大しているものの、競合も多く、簡単にはうまくいかないのが富裕層マーケティングです。超富裕層、富裕層、準富裕層のどこに訴求するのか、そして、どのような施策が有効なのかを検討し、富裕層マーケティングをぜひ成功させてください。ニッセンでは、貴社の富裕層マーケティングを支援します。

貴社のクリエイティブに合わせて、富裕層にアプローチできる媒体を選定し、テストプランをご提案。実施後の検証や改善を行いながら、拡大ができるようにサポートします。

紙媒体では、チラシを中心に、富裕層へリーチ可能な様々な同封同梱広告やダイレクトメール広告をご提案。ニッセンの顧客や多様なリストを活用し、電話でのアプローチも可能です。また富裕層会員を保有されている事業者に対して、富裕層向け商品の供給支援も行っており、クロスセル用としてアパレルや雑貨の商品の供給から商品発送、そしてクリエイティブの制作も行っております。プロモーションチャネルを増やしたい企業や、ニッセンを利用する富裕層にアプローチしたい企業は、ぜひお気軽にお問合せください。