F3層とは?F3層に有効なマーケティングを詳しく解説

F3層をターゲットにしたマーケティング戦略は、この層に属する人たちが置かれた生活環境やライフスタイルを理解することが重要です。購買意欲の高いことから、今、F3層向けのマーケティングの注目度が高まっています。

そこで、F3層とはどういう人たちなのか、そして、F3層に有効なマーケティングには、どんな手法があるのか、事例とともに解説します。F3層の関心を引き、エンゲージメントを高めるためのアプローチをご検討の企業の方はぜひ参考にしてください。

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F3層とは

F3層とは、50代以上の世代の女性を指します。広告やマスメディアの業界で使われる区分です。F3層の人たちは、時間と経済的な余裕を持っているとされます。

なお、F3層の「F」は「Female(女性)」の略であり、20~34歳女性がF1層、35歳~49歳女性がF2層と呼ばれます。

F3層と似たものとして、シニア女性という言葉もあります。「シニア」という言葉には、本来、明確に何歳以上という定義はないですが、WHO(世界保健機関)は65歳以上としているため、シニア女性というと、F3層よりも平均年齢が上の人たちになります。

F3層の特徴

現代では人によって多様なライフスタイルがありますが、F3層という区分は、あくまで性別と年齢のみの大まかな区分です。そこで、マーケティングを考える際は、F3層は便宜上、次のように想定します。

子育てが一段落している

F3層の人は、子育てが一段落していて、子育てに関連する商品やサービスへの関心は低下していると考えられます。その分、自分自身のための買い物をする経済的な余裕と時間的な余裕ができ、ゆとりのある暮らしとなっているケースが多いです。

子育てにかかわる時間的な制約がなくなると、長い間したくても我慢していた趣味や興味のある活動に時間を割くようになります。これには旅行、園芸、料理クラス、写真、陶芸、書道などが含まれます。

これらの活動は、自己表現の手段としても重要で、F3層の人が社会とのつながりを持ちながら新しい生きがいを見つける機会となっています。

健康意識が高い

50代以上になると健康に対する意識が高まります。近年、医療技術の進歩により平均寿命は延びていますが、健康で過ごせる期間である「健康寿命」が注目されています。50代以上の女性は、自身が長く健康で自立した生活を送りたいという意識から、健康維持・増進に積極的に取り組んでいる人も珍しくありません。

そのため、F3層は健康や長寿を支える商品やサービスに対する需要が高い傾向にあります。例えば、体調を整えるために健康食品や健康グッズを購入したり、フィットネスジムやヨガ、ピラティスに通ったりといったことに支出する傾向があります。

購買力が高い

F3層は、購買意欲が高くなります。前述の通り、子育てが終わって、子供の食費や学費にかかっていた支出を、他のことに使いやすくなるためです。

F3層の人たちは、長年様々な商品を購入してきた、買い物のベテランでもあります。品質や価値にこだわった商品を選ぶ傾向にあるため、高級品や専門店にとっては、押さえておきたい人たちです。

F3層向けマーケティングと相性のよい商品・サービス例

F3層は経済的な余裕と自由時間を持つため、特定の商品やサービスが非常に魅力的に映ります。F3層と相性のよい商品・サービスは、次のようなものです。

グルメ商品・サービス

F3層の女性は食に対する興味と知識が豊富で、高品質なグルメ商品や特別な食体験を求めます。地元の特産品やオーガニック食品、高級レストランの利用が好まれ、これらを取り入れたサービスが成功を収めやすいです。

また、自らも家族のために長年料理を作ってきたという人も多いため、おいしい食材や調味料にも興味関心が向きやすいといえます。

美容・ヘルスケア商品・サービス

F3層は、エイジングケア製品や、それに特化した成分や効果を強調するコスメに興味関心を示す傾向が見られます。年齢を重ねるにつれ、美容と健康の維持に関心が高まっていくためです。

同じ利用で、スパや健康センターといった美容や健康につながるサービスの利用も多く、これらのサービスを提供する企業にとって、F3層は相性のよい人たちです。

旅行・レジャー

子育ての終了とともに時間の自由度が増すF3層は、国内外旅行に積極的です。カルチャーやリラクゼーションを重視した旅行プラン、大人向けのアクティビティが好評を得ています。

夫婦水入らずの旅行はもちろん、仲のよいグループで特別な景色を見たり、旅先で非日常の体験をしたりといった楽しみ方もニーズがあります。

旅行業界においてF3層の人たちをターゲットにすることは大きな意味を持ちます。

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F3層に効果的なマーケティング手法

F3層の人に商品やサービスの魅力を伝えるためには、どうアプローチすればよいのでしょうか。効果的なマーケティング手法として、主なものを4つ紹介します。

テレビ

テレビはF3層にとって依然として重要な情報源で。総務省が2023年に発表した調査によると、平日には約86%、休日に約88%の50代女性がテレビを視聴しているという結果が出ました。

F3層へのマーケティングを考える際は、テレビを広告媒体として、商品・サービスへの認知や興味関心を集めることを検討したいところです。F3層が見るであろうテレビドラマやバラエティ、ニュース番組の時間帯に商品やサービスの情報を発信することで、反響を得やすくなります。

WEB

総務省が2023年にまとめた年齢階層別インターネット利用率によると、6歳から69歳までの86%以上がインターネットを利用しています。このことから、WEBマーケティングはF3層に対しても非常に有効です。そこで、F3層に絞ったターゲティング広告や、F3層の人がフォローしているインフルエンサーとのコラボレーションを活用するといった手法が効果的です。

新聞

部数を減らしているといわれる新聞ですが、F3層の人たちは、他の層よりも新聞を読んでいます。

データがやや古いですが、日本の新聞最大手である読売新聞がまとめた資料によると、F3層の読者は推定336.9万人以上。これは、M3層(50代以上男性)の推定355.0万人に次ぐ数の多さです。

同様に、「ビデオリサーチ 2021年度全国新聞総合調査」によると、朝日新聞の読者も50代以上が61.2%。この内、女性の割合は男性よりも多いという結果でした。

F3層の人たちは、昔から新聞に慣れ親しんできたことが、「新聞を読む層」として存在感を放っているといえます。

同封同梱広告

同封同梱もF3層へアプローチするのに効果的です。カタログ通販のカタログを発送する際に、告知物を同封する広告です。紙との親和性も高いF3層には有効ですし、各通販企業のカタログ発行対象は50歳以上の女性層の構成比が高くなってきています。また商品を発送する際に、チラシや商品サンプルを同梱できる、商品同梱という広告手法も活用されています。

同梱サンプリングのコツは、購入商品と関連性の高い商品サンプルを同梱することです。接触率はほぼ100%で、すでに商品を購入してくれた人なので、初めて購入する人よりも購買意欲を高めやすくなります。

とくに、化粧品や、健康食品、生活用品関連のサンプリングが、F3層との相性がよいといえます。同梱サンプリングを受け取った人にとっては、無料で商品を試せるというお得感を感じられるため、顧客のロイヤリティ向上にもつながります。

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F3層向けマーケティング事例

JTB「大人のゆるり旅」

JTBはF3層を対象に含む「大人のゆるり旅」というテーマの旅のパッケージをいくつも提供しています。

添乗員同行し、時間に余裕のある大人がゆったりとしたペースで楽しめる旅程で、健康や美容に良い食事やアクティビティが入っています。旅先での特別感のあるショッピングやグルメなどの楽しみも盛り込まれています。

F3層を含む「大人」に喜んでもらうことを目的に、サービス自体が組み立てられていることがわかります。

資生堂「エリクシール」

「エリクシール」は、資生堂の商品シリーズの一つで、大人の女性向けにエイジングケア関連のクリームや化粧品などをラインナップしています。

イメージキャラクターは、女優で50代の石田ゆり子さん。テレビCMやWEBサイトで前面に起用しています。

キャッチコピーには「大人の」「シワ改善」といった年齢に関わる言葉の他、「贅沢な」「アドバンスド エイジングケア」といった、高級さを感じる表現が使われているのが特徴です。

エリクシールは、その商品力とマーケティング力で、40年以上に渡り続いているブランドです。2023年には、スキンケア市場売上No.1を17年連続へと更新しました。F3層向けのマーケティングのヒントになるところがいくつもある事例です。

セブン&アイ「金の直火焼ハンバーグ」

セブンイレブンでおなじみのセブン&アイは、プレミアムシリーズとして、「金の直火焼ハンバーグ」というレトルトハンバーグを販売しています。

F3層向けマーケティングの観点で注目したいところは、まず、高級路線の商品であることです。そのことは、金色のパッケージに毛筆風の商品名表記でわかりやすく表現されています。また、温めにかかる時間は、同社の通常のレトルトハンバーグの約2倍。時間をかけても上質なものを食べたいと考えるF3層の志向性に合わせた商品となっています。

F3層向けマーケティングのご相談はニッセンへ

ニッセンでは、様々な企業のマーケティングや販売促進の支援として、F3層向けマーケティングを実施しています。

長年、F3層を含む多くの女性の方々に愛用いただいてきた通販サービスの知見を元に、ニッセンのカタログや商品をお客様に送付する際に、貴社のチラシを同封したり、様々なメーカーの試供品を同梱し、お客様へダイレクトにお届けすることができます。さらに、テレビ通販を活用した番組制作から、メディアバイイング、コールセンターでの受注対応など、ワンストップで支援が可能です。

企画から実施までをトータルでサポートしています。実施事例もご紹介できますので、F3層マーケティングを検討する際は、ぜひニッセンへお問い合わせください。