ニッセンカタログ・チラシ

株式会社電通の調べによると、2019年にWeb広告費が初めてテレビメディア広告費を追い抜き、2兆円の大台に達しました。22年度は、3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年から3年で約1兆円増加しました[注1]。電子媒体のデジタル広告が著しい成長をつづける一方で、今も活躍しているのが紙媒体のアナログ広告です。紙媒体の広告には、掲載広告・チラシ広告・DMの3つの分野があります。それぞれの特徴や違いを知り、訴求したい商品やサービスに合わせて使い分けることで、ビジネスの成長につながります。この記事では、初めて紙媒体の広告を出稿する方向けに、広告の種類やメリットデメリットを解説します。

[注1]:2023年日本の広告費 

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掲載広告は「新聞広告」「雑誌広告」「フリーペーパー」の3種類

紙媒体の広告として、昔からビジネスに活用されてきたのが「掲載広告」です。掲載広告とは、新聞・雑誌・フリーペーパーといった他のメディアに広告を掲載し、購読者に向けて製品やサービスを訴求する広告手法です。それでは、「新聞広告」「雑誌広告」「フリーペーパー」の特徴や違いを見てみましょう。

新聞に広告出稿を行う「新聞広告」

新聞広告は、新聞紙上に広告出稿を行う方法です。全国紙への広告掲載なら、幅広い地域の読者に商品やサービスを訴求できます。地方紙であれば、特定の地方に根ざしたプロモーションが可能です。新聞は長い歴史のあるメディアであり、新聞広告にも一定の社会的信用が置かれています。また、新聞の読者は中高年層が多いため、とくにシニア世代に対して効果的なマーケティングを実施できます。

雑誌に広告出稿を行う「雑誌広告」

雑誌広告は、雑誌の広告スペースに広告を掲載する方法です。新聞広告とよく似ていますが、新聞広告は原則としてモノクロ印刷であるのに対し、雑誌広告はカラー印刷での広告展開が可能という特徴があります。また、雑誌広告は新聞広告と違い、媒体によって購買層が違います。たとえば、女性向けのファッション誌の場合、10代前半のローティーン向けの雑誌から、30代~40代の女性を対象とした雑誌まで、さまざまな種類があります。雑誌広告を活用するなら、その雑誌の主要購買層に合った広告を出稿することが大切です。

無料の情報誌を活用する「フリーペーパー」

特定の地域に根ざしたプロモーションを行う場合は、駅や町中で配布される無料の情報誌、「フリーペーパー」に広告を掲載するのも1つの方法です。フリーペーパーには、その地域の店舗やイベントといったローカルな情報が特集されており、主要な購読者も周辺の住民です。たとえば、その地域に出店した飲食店や美容室など、特定の地域での認知度アップを狙う「エリアマーケティング」にフリーペーパーは最適です。また、フリーペーパーは新聞広告や雑誌広告よりも掲載料金が安価で、低コストで広告展開が可能です。

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チラシ広告は「新聞折込チラシ」「同封同梱広告」「ポスティング広告」の3種類

掲載広告と違い、他のメディアと一緒に広告物を配布するのが、「チラシ広告」と呼ばれる広告手法です。チラシ広告は、広告物を封入する広告媒体の違いによって、「新聞折込チラシ」「同封同梱広告」「ポスティング広告」の3種類に分けられます。それぞれの広告手法の特徴や違いを解説していきます。

【参考記事はこちら】:チラシ広告とは?種類別のメリット・デメリットや費用相場を解説 | 通販支援ノート (nissen.biz)

新聞と一緒にチラシを配布する「新聞折込チラシ」

「新聞折込チラシ」は、新聞に広告物を折り込み、新聞と一緒にチラシを配布する方法です。新聞に広告掲載を行う新聞広告とは以下の点で違います。

・広告の大きさやデザインが制限されない
・新聞広告よりも目にとまりやすい

新聞広告と違い、チラシ本体を新聞に封入できるため、新聞折込チラシは広告の大きさやデザインが制限されません。また、新聞を読むときに折込チラシを自然と目にするため、新聞広告よりも目にとまりやすいのもメリットです。 チラシ単体で送付するため、保管性が高いのも1つの特徴となっています。

顧客のセグメント が可能な「同封同梱広告」

同封同梱広告とは、他の広告媒体にチラシや商品サンプルを封入し、商品やサービスの訴求を行う広告手法です。たとえば、次のような例があります。

通販カタログ 顧客が請求した通販カタログに、購入意欲を刺激する商品サンプルを同梱する
商品同梱 顧客が購入した商品の箱に、商品と関連性が高いチラシやサンプル を同封同梱 する
会員誌・会報誌 会員誌・会報誌の顧客リストを利用し、読者層に合った広告物を同封する

同封広告・同梱広告の強みは、顧客をセグメントできる点です。たとえば、育児グッズのカタログなら子育てママ向け、医師会の会報誌なら医師向けなど、広告物を同封同梱する媒体のターゲットに合わせた広告展開が可能です。

【参考記事はこちら】:同封広告と同梱広告の違いや種類を理解して到着率・開封率を高めよう | 通販支援ノート (nissen.biz)

各家庭にチラシを投函する「ポスティング広告」

ポスティング広告とは、各家庭のポストに広告物を直接投函する広告手法です。ポスティング広告には、チラシを配布する地域の特性に合わせて、エリアごとのセグメント化が可能だという長所があります。また、ポストに投函できるサイズであれば、チラシの形状やデザインは自由です。ただし、自社でポスティングを行う場合は、チラシの作成費用や、配布する際の人件費がかかります。

DM(ダイレクトメール)は「ハガキDM」「封筒DM」「FAXDM」の3種類

DM(ダイレクトメール)は、広告物を顧客の元に直接届け、商品やサービスを訴求するマーケティング手法です。近年、Webメールを利用した「メールDM」が増えていますが、昔ながらの紙媒体のDMも活躍しています。広告物を郵送する「ハガキDM」「封筒DM」のほか、ファクシミリを使う「FAXDM」があります。

手軽に送付できる「ハガキDM(ダイレクトメール)」

DM(ダイレクトメール)の媒体の違いが大きく影響するのは、コストと情報量の2点です。まず、媒体としてハガキを使う「ハガキDM」を見てみましょう。

1通あたりのコスト(送料) 情報量
ハガキDM 通常ハガキ:63円
変形ハガキ:84円
少ない

ハガキDMは手軽に送付できるだけでなく、開封の必要がないため、顧客の目にとまりやすいDMです。しかし、通常ハガキはサイズが小さく、一度に多くの情報を載せられません。その場合は、定形外の変形ハガキや、3つ折りの圧着ハガキを使いましょう。

封筒ならではの施策が可能な「封筒DM(ダイレクトメール)」

続いて、封筒DMのコストや情報量は以下の通りです。

1通あたりのコスト(送料) 情報量
封筒DM 定型郵便物:84円 多い

封筒DMはハガキDMと違い、封筒に広告物を封入して郵送するため、自由度の高いプロモーションが可能です。ハガキDMと違い、サイズが大きいため、一度に多くの情報を掲載できます。また、厚みがあるものも郵送できるため、商品カタログやパンフレットも送付可能です。料金も、定形郵便物なら1通あたり84円と比較的安価です。

1通あたりのコストが低い「FAXDM(ダイレクトメール)」

FAXDMはハガキDMや封筒DMよりも1通あたりのコストが低いのが特徴です。FAXDMを利用する場合は、FAXDMサービスに代行を依頼するのが一般的です。

1通あたりのコスト(送料) 情報量
FAXDM 3円~ 多い

FAXDMはコストが低く、1枚あたり3円~の低価格で利用可能です。ただし、FAXDMサービスによっては、送料に加えて別途手数料が発生するケースがあります。FAXDMは封筒DMと同様に、一度に多くの情報を掲載できる媒体です。また、FAXが届いた段階で顧客に読まれるため、開封率が非常に高いのもFAXDMのメリットです。
特にシニア・シルバー層には効果的な広告手法とも言えます。

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紙媒体だからこそのメリット・デメリットを知ろう

電子媒体のWeb 広告は、スピード感があり、なおかつ効果測定が容易なことから、近年市場規模が急速に拡大しています。しかし、昔ながらのアナログ広告にも、紙媒体ならではの強みや長所があります。紙媒体に特有のメリット・デメリットを知り、自社に合ったプロモーション戦略を選ぶことが大切です。

紙媒体の2つのメリット

紙媒体の広告には、以下の2つのメリットがあります。

・保管性が高い
・複数の感覚を刺激できる

DMやハガキ、折込チラシなどの印刷物は、顧客が手元に残し、何度も読み返すことが可能です。そのため、「一度見たらそれっきり」になりやすいWeb広告と違い、商品やサービスの内容が記憶に残りやすくなります。また、紙媒体の広告は色や形といった視覚以外にも、厚み・質感・手触り・香りなどのさまざまな感覚に訴えかけられます。顧客の五感を刺激し、商品やサービスにより興味を持ってもらうことが可能です。

紙媒体の2つのデメリット

一方、紙媒体の広告にはデメリットも2つあります。

・スピード感に欠ける
・情報量に制限がある

紙媒体の広告は、チラシの作成や、出稿する媒体の選定、掲載予定の媒体での審査など、広告の出稿から反響が得られるまでに時間がかかります。そのため、最短即日で配信可能なWeb広告よりも、プロモーションのスピード感に欠けます。また、紙媒体の広告には、一度に訴求できる情報量に制限があるというデメリットもあります。たとえば、通常ハガキでDMを送付する場合、最大で15.4cm×10.7cmの文面に収まる広告しか掲載できません。限られた情報量で、効果的に商品やサービスの魅力を発信する必要があります。

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【まとめ】紙媒体の種類を知り、自社に合った広告を出稿しよう

紙媒体の広告は、大きく「掲載広告」「チラシ広告」「DM」の3つの分野に分けられます。それぞれの分野には、さらに3種類の広告手法があります。

種類
掲載広告 新聞広告
雑誌広告
フリーペーパー
チラシ広告 新聞折込チラシ
同封同梱広告
ポスティング広告
DM(ダイレクトメール) ハガキDM
封筒DM
FAXDM

近年、Web広告の利用件数が大きく増えていますが、昔ながらのアナログ広告にも、「保管性が高い」「複数の感覚を刺激できる」といったメリットがあります。紙媒体の長所や短所を知り、自社に合った広告媒体を選ぶことが大切です。