コールセンター 男性回線数を算出

コールセンター運営において、オペレーターの適正席数(適正人数)を把握することは非常に重要です。

席数が少な過ぎれば、顧客からの入電に対応し切れずサービス品質が低下し、反対に席数が多過ぎれば、人件費がかさんでしまいます。

そのため、効率的なコールセンター運営を行うためには、適正席数を正しく算出することが欠かせません。

この記事では、コールセンターにおいて適正席数を算出するための具体的な方法や、その数値を実際のコールセンター運営に活かす際の注意点などについて、詳しく確認していきます。

自社コールセンターの適正席数についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

コールセンターにおける適正席数の算出方法とは?

コールセンターにおけるオペレーターの適正席数は、「アーラン係数」という計算式で算出できます。

アーラン係数とは、電話が繋がるまで顧客が待ち続けるという「待ち行列」理論をもとにした計算式です。コールセンターにどれだけの席や回線が必要かを求める計算式として、広く使用されています。

アーラン係数には「アーランB式」と「アーランC式」の2種類があり、必要回線数を導く際はB式、必要席数を導く際はC式が用いられます。

アーラン係数はどんな式?

アーラン係数の具体的な式は以下の通りです。

アーランB式

アーランC式

ご覧のように、B式・C式ともに非常に難解な式であり、手計算を行うのは現実的ではありません。そのため、現在では必要数値を入れるだけで、自動的に算出してくれるツールが多数開発されています。

インターネット上にも、無料でアーラン係数の試算を行うことのできるサイトがいくつも存在するので、まずはそれらを試してみることをおすすめします。

適正席数・必要回線数を計算するために必要なKPIとは?

アーラン係数を用いて席数や回線数を導くためには、いくつかの数値が必要となります。いずれの数値もKPIとして欠かせないものなので、コールセンターを運営する際には把握しておくことが大切です。

ここでは、アーランC式とB式それぞれで必要な数値と、その詳細について確認していきましょう。

適正席数を計算するために必要なKPI

コールセンターの適正席数を導くためには、アーランC式に「AHT」「コール数(30分単位)」「ASA」の3つの数値を入れます。

まずAHTとは、「平均処理時間」のことです。オペレーターが1つの入電を処理し終えるまでの平均時間を表し、ATT(平均通話時間)とACW(平均後処理時間)の和から求めることができます。

続いてコール数とは、一定時間にどれくらい入電があったかを表す数値です。一般的には1時間を半分にした30分を基本単位として計算されます。

そして、ASAとは「平均応答速度」のことです。顧客が電話してから、オペレーターに繋がるまでにかかる時間を表します。一般的には20秒程度をKPIとして設定することが多いです。また、時期や時間帯による変動が大きいので、数ヶ月から年単位での平均値で求めることをおすすめします。

  • AHT(平均処理時間)=ATT(平均通話時間)+ASA(平均後処理時間)
  • コール数=一定時間(30分)の入電数
  • ASA(平均応答速度)=顧客の電話がオペレーターに繋がるまでの時間

【KPIについての詳細はこちら】

コールセンターで重要なKPI項目15個を総まとめ!計算方法もわかりやすく解説

生産性を高めるコールセンターのアウトバウンドのKPI策定 KPIの項目と種類とは?

必要回線数を計算するために必要なKPI

コールセンターの必要回線数を導くためには、アーランB式に「実際の回線数」と「コール数(単位時間ごと)」の2つの数値を入れます。その結果、入電がコールセンターの回線数を超えてしまう割合、つまり電話が話し中で繋がらない割合(呼損率)を求めることができます。

アーランB式を用いると、呼損率を最小化するために必要な回線数を導くことができます。しかし、実際には先述のアーランC式による席数計算の方が一般的で、アーランB式の使用はコールセンター立ち上げ時などの一部の場合に限られます。

コールセンターの適正席数を計算する際の注意点

先述の通り、コールセンターの適正席数はアーランC式を用いて算出することができますが、それはあくまで理想値に過ぎません。そのため、現実のコールセンターに当てはめる際は、数値と実態との間にズレが生じる可能性があり、注意が必要です。

ここでは、コールセンターの適正席数を考える際、特に気をつけたいポイントを2つ確認していきます。

注意点①:現実の適正席数と差異が生まれやすい

まず注意すべきは、アーランC式の計算結果に「放棄呼」が考慮されておらず、現実の適正席数と差異が生まれやすい点です。

アーランC式は「待ち行列」という理論を下敷きにしていて、電話が繋がるまで顧客が待ち続ける前提で数値が導かれます。しかし現実には、電話口で顧客がずっと待ち続けるとは限らず、長く待たされた顧客は繋がる前に電話を切ってしまいます。このような現象を「放棄呼」と呼びます。

アーランC式は放棄呼率が0%である前提の数値なので、放棄呼が存在すると、理論値と現実の間に差異が生まれてしまいます。そのため、自社コールセンターの放棄呼率が高い場合は、導き出された適正席数より多くの席数確保が必要です。

たとえば、放棄呼の多いコールセンターの状況をアーランC式で計算した結果、適正席数が50と導かれたとします。しかし、それに従って50の席数で運用したとしても、放棄呼までは改善されず、依然として繋がらないコールセンターのままになってしまいます。そのため、放棄呼率を下げて繋がりやすいコールセンターにするためには、60や70など、計算結果よりも多い席数を用意する必要があります。

注意点②:実働人数と在籍人数を分けて考える必要がある

続いての注意点は、コールセンターの実働人数と在籍人数の差異を考慮することです。

コールセンターの人数には、在籍しているオペレーターの総数を表す「在籍人数」と、そのうち実際に業務を行っているオペレーターの人数を表す「実働人数」の2種類の考え方が存在します。

アーランC式では、すべてのオペレーターが100%稼働している理想状態、つまり「実働人数」を前提として席数を算出します。そのため、もし計算した必要席数をそのまま在籍人数に当てはめてしまうと、全オペレーターが毎日出勤しない限りは実現することができなくなってしまいます。

適正席数を考える際は、自社コールセンターの在籍人数だけでなく、実働人数がどれくらいかについても考慮することが大切です。

より効率的なコールセンター運営を行うためのポイント

コールセンターの運営は、適正席数を把握することで効率化を図ることができます。しかし、それはあくまでも必要条件に過ぎず、十分条件ではありません。コールセンターの効率化を促進するためには、その他のポイントも満たしていくことが重要です。

ここでは、適正席数の算出に加え、効率的なコールセンター運営に役立つ2つのポイントをポイントを2つ確認していきます。

ポイント①:稼働率

稼働率とは、オペレーターの就業時間のうち、どれだけの時間を顧客対応に使っているかを表す数値です。極端な例で言うと、就業中ずっと顧客対応をしていれば「稼働率100%」、反対に就業中一度も顧客からの電話を取らなければ「稼働率0%」ということになります。

オペレーターのメイン業務が顧客対応なのは間違いありませんが、それ以外にも雑務があり、就業時間に応じて休憩を取る必要もあります。そのため、稼働率100%というのは現実的ではありません。

稼働率の理想値は、一般的に80%前後と言われています。これより高すぎる場合は人手不足の可能性が高く、低すぎる場合は人員過剰になっていると考えられます。

稼働率は、高過ぎても低過ぎても良くありません。効率的で健全なコールセンター運営を実現するためには、定期的に稼働率の確認を行うことが大切です。

ポイント②:呼量予測

呼量予測とは、時期や時間帯によって変わるコールセンターへの入電数を、過去のデータや変数を用いて予測することです。

コールセンターへの入電は、さまざまな要因によって日々変動します。それを予測することができれば、呼量の多いときには人員を増やし、反対に呼量の少ないときには人員を削減するという、フレキシブルな対応が可能となります。

また、同じオペレーター数で運営する場合、呼量が増えるほど稼働率は高まり、呼量が減れば低くなります。このように、呼量は上述の稼働率とも密接な関係にあるため、効率的なコールセンター運営には欠かせない取り組みだと言えます。

【まとめ】席数計算を行い、効率的なコールセンターの実現を。

今回は、コールセンターの適正席数の算出方法と、それに関連する注意点などについて詳しく確認してきました。

適正席数はアーラン係数を用いた計算によって導くことが可能です。しかし、計算によって導かれた適正席数は理想値であるため、そのままでは現実の運営状況とは合致しない可能性があります。そのため、コールセンターの効率化を図るためには、放棄呼や実働人数を考慮に入れ、稼働率の確認や呼量予測と組み合わせて運用していくことが大切です。

今回ご紹介した内容を参考に、各種KPIを用いて適正席数を計算し、効率的なコールセンター実現に役立てていきましょう。

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