コールセンターの質はスクリプトで決まる! 効果を上げるためのポイントを解説

コールセンターの業務は、お客様からのお問い合わせや注文を受け付けるインバウンド業務と、営業を目的としたアウトバウンド業務に分かれています。どの業務についても一人で行うことはなく、複数のオペレーターが同じ業務にあたるのが一般的です。

いくら教育や訓練を受けていても、経験の浅いオペレーターと、熟練のオペレーターでは応対品質の差が発生します。お客様がオペレーターを選ぶことはできないため、どのオペレーターが対応してもお客様の満足度が下がらないようにする工夫が必要です。

そこで、重要になるのが、一定レベルの応対品質や生産性を確保するための“スクリプト”です。今回は、スクリプトの重要性を再確認するとともに、有効性の高いスクリプトを作り上げるための留意点についてご紹介いたします。

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コールセンターにおけるスクリプトとは何か

コールセンターにおけるスクリプトとは、メールやチャットの場合はテンプレートを指し、電話応対の場合は、「トークスクリプト」となります。

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オペレーターが読み上げるだけで対応ができる台本

トークスクリプトとは、お客様の問い合わせの目的や質問に沿って、対応方法を事前に用意しておく台本のことです。お客様の相談を無理に当てはめてしまうような内容のマニュアルでは意味がありませんので注意しましょう。

お客様の質問内容や状況に合わせて、会話の内容や対応の仕方を、複数の条件分岐を考えながら作成し、最適なトークスクリプトを選択できるようにしておくのがおすすめです。

スクリプトの構成例

トークスクリプトに必要な要素に、「オープニング」「メイントーク」「クロージング」があります。

オープニングは、挨拶から自己紹介、導入部までです。オープニングを終えたら、お客様の会話テンポや反応を確認しながら、メイントークにつなげましょう。クロージングでは、お客様に対して不明点や聞き残しがないかを確認し、お礼の挨拶を行うのが基本の流れです。

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それでは、3ステップの内容について、もう少し詳しく確認していきましょう。

オープニング
オープニングの印象は、お客様の評価を左右する重要なパートです。オープニングの印象によってメイントークへうまくつなげられるかどうかが決まるので、明るくはっきりとした口調で挨拶しましょう。挨拶の後は自己紹介を行い、自然な流れでメイントークへつなげていきます。

メイントーク
オープニングで、お客様の会話のテンポや反応を確認し、メイントークに移っていきます。おしゃべりが好きなお客様もいらっしゃるので、メイントークに移行していくときには、強引に話題を変えようとするのではなく、自然な流れを意識しましょう。

ここで、お客様の目的を聞き出すことになります。それでは、オープニング終了からメイントークまでの具体的な内容について、例文をご紹介します。

オペレーター 「お電話ありがとうございます。コールセンター〇〇が担当します」
お客様 「携帯電話のコールセンターですか?」
オペレーター 「はい、そうでございます。本日はどのようなご用件でしょうか」
お客様 「新規で携帯を契約したいです」
オペレーター 「携帯電話の新規ご契約ですね。それでは、弊社携帯電話の新規ご契約について、いくつかお伺いさせていただきますが、よろしいですか?」
お客様 「はい、大丈夫です」
オペレーター 「ありがとうございます。それでは、……(質問内容を伺う)」

クロージング
お客様からの問い合わせを受け、オペレーターの回答が完了したら、その他の要件があるかを確認します。最後に、以下のような挨拶も忘れないようにしましょう。

オペレーター 「本日はお忙しいなか、お問い合わせいただきありがとうございます。今後とも弊社をよろしくお願いいたします」
お客様 「こちらこそ、ありがとう」
オペレーター 「お電話ありがとうございました、本日は〇〇が担当いたしました」

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コールセンターではなぜスクリプトが重要なのか

コールセンターでトークスクリプトがないまま、お客様の応対をすると、どのようなリスクが発生してしまうのでしょうか。

<トークスクリプトがないことで発生しうる業務上のリスク>
・オペレーターによって、お客様への説明方法が異なり、混乱を招く
・新人オペレーターの研修期間が長くなる
・お客様の応対ができず、エスカレーションを繰り返し、結果的に応対時間が延びる

このような状態を放置すると、各オペレーターに大きな負荷がかかります。結果として、新人オペレーターの研修に時間がかかったり、離職率が上がってしまったりする事態を引き起こしかねません。したがって、経験値の高いオペレーターの話し方や内容を分析し、トークスクリプトをアップデートしていく必要があります。

オペレーターごとに応対品質の差が生じないようにするため

トークスクリプトを作成しておくことで、オペレーターの対応のばらつきが軽減されます。また、オペレーターが顧客対応をする際に、明確なルールにしたがって対応することができます。

未経験者が短期間で業務を覚えられるようにするため

オペレーターの新人育成にも有効です。トークスクリプトがあれば、経験の浅いオペレーターでも業務に取り組むことが可能となり、比較的短期間で、新しい業務を覚えることができます。

コールセンター自体の品質向上のため

お客様対応を行っていくと、改善点が出てきます。新しい商品やサービスがリリースされるたびに、トークスクリプトを見直していくことで、センター全体の品質が向上します。

スクリプトの効果を最大化するため気をつけたい7つのポイント

トークスクリプトを作成するときには、実際にオペレーターがお客様との会話中に利用できるようにしておく必要があります。ここでは、トークスクリプトの作成から運用までの7つのポイントをご紹介します。

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そのまま読み上げれば対応できるようなスクリプトにする

トークスクリプトを実際に使用したときに、オペレーターがお客様と自然な会話をできるような内容にしておく必要があります。オペレーターが自分で言葉を付け足すことなく利用できれば、人による対応の違いを減らし、業務を効率化できます。

見やすいレイアウトで作成する

トークスクリプトを作成するときには、見やすいレイアウトを心がけましょう。オペレーターはお客様と会話をしながらトークスクリプトを見ることになるので、字幅が狭かったり、内容が見づらかったりすると、問題が発生しやすくなってしまいます。

あらゆるFAQを網羅する

適切なトークスクリプトをゼロから作成するのは簡単ではありません。トークスクリプトを効率的に作成するためには、FAQの利用が効果的です。よくある質問とその答えをトークスクリプトに組み込んでおくと、比較的容易に作成できるでしょう。

専門用語を使わない

専門用語を使わず、初めて聞いた人でもすぐに理解できるような内容を心がけましょう。そうすることで、新人オペレーターが対応していても、お客様に伝わりやすいコミュニケーションを行えるため、双方にメリットがあります。

スクリプトを使って徹底的なシミュレーション訓練を行う

スクリプト文章の整備だけではなく、それを使った研修も必須です。オペレーター役とお客様役に分かれて、シミュレーション形式で実際にトークスクリプトを声に出し、訓練を行いましょう。声に出すことで、違和感や気付いたことを加えて修正できるので、トークスクリプトの精度を上げられます。

シミュレーション訓練をしておくことで、実践するときに丁寧語の間違いが発覚したり、操作説明がわかり難いといった問題が発生したりするリスクを事前に回避できます。

常に内容を更新し精度を上げる

トークスクリプトは一度作成しても終わりではありません。実際に使いながら日々チェックを行い、いらない箇所は削除し、必要なものを追加して、精度の高いトークスクリプトに仕上げていく必要があります。

コールセンターは外部委託することも可能

今回ご紹介してきたトークスクリプトの作成は、実践経験のない管理者にとっては難易度の高い作業です。そのような場合には、専門のコールセンター事業者に外部委託するのがおすすめです。トークスクリプト作成による品質の標準化や新人オペレーターの底上げについても、豊富な経験値から短期間で実現できるでしょう。

ニッセンは、カタログ販売を通じたインバウンドコールセンター業務を、約50年に亘り提供してきました。長い歴史と経験で培ってきた業務の仕組みとノウハウを活用し、他の企業のコールセンター業務を支援するサービスを提供しています。 カタログ販売の受注業務にとどまらず、通信販売における電話受注やマス媒体広告からの資料請求、お申し込みやお問い合わせの対応など、お客様からの電話をお受けすることも可能です。

【まとめ】トークスクリプトの品質改善はニッセンにご依頼を

コールセンター業務の品質を高く維持するためには、トークスクリプトの作成が非常に重要です。トークスクリプトがあれば、オペレーターごとの品質のばらつきを最小化し、新人オペレーターの早期着座を推進し、退職の防止にもつながります。

今回は、トークスクリプトを策定する上で重要な7つのポイントについてもご紹介しています。トークスクリプトを作成し、維持更新していくという経験のある管理者は少ないです。そのような場合には、コールセンター専任事業者に部分的な支援を仰ぎつつ、コールセンター業務自体を業務委託することも選択肢として考えるのがおすすめです。

コールセンターの業務支援はニッセンへぜひお問い合わせください。

コールセンター業務支援 | ニッセン BtoB|通販支援のプロフェッショナルが課題を解決 (nissen.biz)